独学の技法

教養を血肉化し、知的戦闘力を高めるための本。
インプットとして本を読んでいるだけではただ知識を増やしているに過ぎない。
それらの知識をより実践的にアウトプットするためには、「知識」を生きた知恵に変換する必要がある。
著者の山口周氏はそれを抽象化、または構造化と呼んでいる。
内在するエッセンスを抽出し、別の分野に適応可能な状態にすることだ。
「覚えること」を目指さない学習方法である。
これだけ情報過多になり、また各分野では秒速でイノベーションが起きている。
覚えることよりも構造を抜き取り、新たな場面で適応させることの方が重要だと語る。
むしろ必要のない情報は記憶から消去することさえ勧めている。
記憶力より、適応する力が求められているのだ。


イノベーションはその分野の素人や若者から起こることが多い。
また、新たな発想は組み合わせの中で生まれる。
何かと何かの組み合わせ、例えばジョブズの率いるアップル社はデザインとテクノロジーの交差点でオリジナルな形態を生み出した。
このクロスオーバーは垣根を越えた分野の行き来にヒントがある。
各分野の専門家(スペシャリスト)はその専門性が高まるにつれて、狭く深く物事を捉えるようになる。
矛盾するようだが、極めようと思えば思うほど新たな発想、またその展開のチャンスは失われる。
そこで求められるのが教養である。
教養は分野と分野の架け橋のような役割を果たす。
共通項を導き出す力が教養にはある。
それは端的に歴史からの引用や、メタファーによる力。
それ以外にも他ジャンルを受け入れる器の大きさが粘着性を持ち、クロスオーバーをアシストする。


これはインタビュアーとして記事を書く際も同様のことが言える。
語り手の言葉を聴き手が読者のために翻訳することに近い。
言わば理解できる状態に組み立て直す力である。


より良い意思決定には相当の情報量が必要となる。
また、優秀な研究者が生涯書いた論文の数は彼が今までに引用されてきた論文の数と比例する、という量が質を転化する問題にも触れている。
圧倒的な量を生み出すためにはやはり相応のインプットが必要となる。
そのためにはやはり、より良い独学の技法を習得することがオススメである。



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