地球星の旅人

韓国の詩人リュ・シファ氏の著書。
旅行記のような、またエッセイのような、またポエムのような。
あまりにも美しい言葉の世界。


私も20歳の頃、バックパックを背負いインドへ一人旅に出た。
鮮烈な色彩と、躍動する生命力、美も醜も混沌となったその国の中で、流れに身を任せ、魂を清めた。
豊かで安全な国に生まれ、「あらゆる夢は叶うもの」とし、個人の欲望を人生の羅針盤にしてきた贖罪を洗い落とすように、私にとってインドの地は大きく、清濁合わせ飲む包容力と優しさがあった。
その頃の記憶が蘇った。
ガンジス川に流れる遺体が一度沈み、ゆっくりと反転しながら浮き上がるように。


リュ・シファ氏の言葉は美しく、また、神秘的で、時にユーモラスであった。
決してインドの上辺だけをすくった物語ではない。
また、フォトジェニックなシーンを書き連ねるほどの大衆性はない。
インドという国のエッセンスを抽出するような、またリュ・シファ氏のインドとの対峙の中で煌めく哲学、光景の連なりである。


インドには不思議がある。
土地の持つエネルギー、そこに住む人々の死生観、嘘だらけの商売人、徳の高い精神性。
その不思議を体感するために私たちはインドへ行く。
インドへ行って何かが変わるわけではない。
インドへ行って、その瞬間瞬間に発見する不思議を体感することが目的だ。


「ナマステ!」
私の中の神が貴方の中の神に挨拶をする言葉で感想文を締める。

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