おちこぼれビションフリーゼ、とむくん5

とむすまいる



とむくん。
君が寝ているところを見るのが、僕の幸せの一つ。



トム5





とむくんが、ひざのうえで、おねんねちゅう。
こんなはずかしいところ、おみせしまして、しつれいします。





トム6





おくちのまわりが、すこしよごれています。
としをとっているのでゆるしてください。
なんだか、よっぱらいのおじさんみたい。
ぼくのたいせつな、こどもです。





トム7





ぺろっと「した」をだして、ぐーすか、ぐーすか。
どんなゆめをみているのでしょうか。
いちどでいいから、ゆめのなかをのぞいてみたい。
ゆめのなかで、いっしょにのはらをはしろう。
ゆめのなかなら、あしはいたくないね、きっと。
じょうずにはしることができるかも。





トム4





あしのうら。
いろんなものをふんできた。
よろこびをたくさんおもいだす。
かなしみもすこしはあったかも。
とむくんの、いきる「あかし」。
ぼくはこのあしのうらが、だいすき。





こんなにもぐっすりと、こんなにも安心して、僕のひざの上にのって眠るとむくん。
安心してもらえる存在であるということが何より嬉しいのですよ。
この信頼はお金では買えません。
この関係性は、僕たちが少しずつ積み重ねてきたもの。
僕は、こうやって君が眠ってくれることが、心からうれしいのです。

おちこぼれビションフリーゼ、とむくん4

とむくん。





おさんぽ、だいすき。
たまにかえりたくないからって、わがままをいうときも。





トム6





帰りたくないとむくん。
今日は特に抵抗するな。
最近雨だったから行けない日が続いてたもんね。
ごめんごめん、じゃあ今日はもう一周歩こうか。





春になると散歩が嬉しいとむくん。
はりきって匂いを嗅いでまわる。
僕が本を読むのと同じなんだろうね。
たくさんの匂いの中の物語を味わっているみたい。





ローズマリーをくんくんしていて、むせ返る。
何度もくしゃみをする。
おもしろい。





たくさんの匂いの中で、嗅ぎ分ける喜び。
それは冒険に近いのだろうなぁ。
春の風景は僕が感じるよりもずっと豊かに、とむくんには見えているにちがいない。
こんなにも嬉しそうなのだもの!





トム5





外で匂いを嗅ぐのが大好きだね。
風に吹かれるのが大好きだね。
お気に入りの場所におしっこをするのが大好きだね。
ぽかぽかお日様を体いっぱいに浴びるのが大好きだね
遠くから聴こえる、誰かの声に耳をすませるのが大好きだね。
時々、僕より先に歩いてはりきって胸をはるのが大好きだね。
とむくん。





おさんぽ、大好きだね。

おちこぼれビションフリーゼ、とむくん3

トムくん、こっちおいで

とむすまいる



とむくんは僕の創作に大きな影響を与えてくれた。
素敵な、素敵なプレゼント。

それまで演劇の脚本しか書いてこなかった僕が、初めて書いた小説もとむくんの話。
「雪のふる夜」
という題名。
お母さんとケンカした少年が家を飛び出して、知らない街の公園で夜を迎える。
そこでとむくんと出会う、という話。



初めて絵本の物語を書いた時も、とむくんの話。
「トムくんこっちおいで」
これは書きながら涙が溢れた。
嗚咽しながら書いたお話。



今回はブロマガ会員の方限定で「トくんこっちおいで」をお見せします。
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おちこぼれビションフリーゼ、とむくん2

とむすまいる



とむくん。
人懐っこく、一人遊びが好きで、人間みたいに笑う。
とても臆病で、犬のくせにどんくさいけど、時に頑固な面をみせることも。

そんな時は吠えたりしない。
沈黙して我慢強く主張する。

その姿も愛らしい。
決してスタイリッシュな出で立ちではないけど(どちらかというと下から数えた方が早い)、僕にとってはどの犬よりもかわいい。



もちろん僕の妻もとむくんが好き。
実はとむくんは、僕と出会う前から彼女が飼っていた犬。
僕が彼女と出会い、そしてとむくんと出会うことができた。

僕ととむくんは仲良くなった。
夜中に一緒に家の前の公園を走り回った。
家の中ではずっと僕のひざの上。
僕が立ち上がって動き出すと、その後ろをいつもついてきた。





「亮太君にとむくんを取られた」

彼女は言った。
僕がやってくるまではずっと彼女にべったりだったらしい。
いいじゃないの、僕たちはみんな相思相愛だから。
これが家族





僕と妻は年齢が18歳離れている。
彼女が僕の18歳上。
僕はそんなこと、特に気にしない。
ただ、人に言うと結構驚かれる。
でも、人って年齢で好きになるわけじゃないでしょ?
たまたま好きになった人が18歳年上だっただけ。
僕は彼女のことを他のどの女性よりも愛おしいと感じるし、誰よりも尊敬している。





僕たちには子どもがいない。
僕が子どもを求めなかったのが主な理由。
表現の道で生きていく上で、子どものことは考えられなかった。

年齢差のこともあるから、もし欲しいのなら彼女の体のことを考えれば早くに決めないといけなかった。
幸運なことに妻にはすでに子ども(女の子)がいた。
だから妻も僕の気持ちに合わせてくれた。





その代わりと言ったらなんだけど、とむくんを僕たち2人の間にできた子どもにした。
いや、言い方がまずかった。
こんな表現だと、とむくんが怒る。

とむくんは僕と妻の子どもになってくれた。
僕たちは本当の子どもみたいに愛情を注いだ。
そうしているうちに、本当の子どもになった。
本当の子どもの、「本当の」の意味が分からなくなるくらい。

とむくんは僕たちの子どもなのです。




おちこぼれビションフリーゼ、とむくん1

とむくん。



もうすぐ13さい。
たからもののゴム←青いの、と一緒にねむる。
さいきん、ねむるじかんがふえた。
ずーっとねてる。





トム





昔はね、仕事帰ると僕の服にくるまって、こんな奇跡的な状態で待っていてくれたこともありました。
もちろん抱っこして、ふわふわの毛に顔をうずめてね。

「ただいま!とむくん!」





トム1





おわりのじかんはゆっくりとちかづいているのだろうか。
あまり、「のこされたじかん」という考え方はすきじゃないけど。
僕はとむくんと密度の濃いじかんをすごしたい。





トム2





急にめがさめたとむくん、水をのみにいって、うしろあしをひきずりながらゆっくり歩いてきて、僕のひざの上に。
またねむってる。





トム3



ひざにのるときはいつも「ぴょん!」とジャンプする。
年をとってもまだ「ぴょん!」をする。
そんな力もうないから僕はとむくんの脇をもっててだすけ。
それでもとむくんのうしろあしは小さくはねる。
僕のひざにのるときは「そういうもん」だとおもってる。
とむくんのかんかくのなかではずっと。